今回は、ビリヤード専門誌で7年連載の経験を持つ岡Qさんによる漫画「ミドリノバショ」の感想をお話しします。
この作品は、作者のビリヤードへの熱い思いが随所に感じられる、爽快感溢れる漫画です。
ビリヤードファンはもちろん、スポーツ漫画好きにもおすすめの作品です。
熱い展開と爽快感、そして丁寧な描写と解説が魅力の一作となっています。
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ミドリノバショのあらすじ
翠(ミドリ)は、京都にある祖父のビリヤード場「球撞楽(たまどうらく)」で、幼い頃からキューを握る中学一年生。
ある日、店に凄腕のプレイヤーが訪れたことから、自身も知らない”ビリヤードの才能”の扉が開かれて…。【第8回連載投稿トーナメント第2位】!
https://urasunday.com/title/1122
天才少女vs.凄腕プレイヤー達!
ビリヤード専門誌で約7年連載していた著者がおくる、 爽快ビリヤード漫画がここに開幕!
ミドリノバショの見どころと感想
ミドリの圧倒的な技術と成長ストーリー
主人公は蒼井翠(あおい みどり)。中学一年生で大好きなおじいちゃんが営むビリヤード店の球撞楽(たまどうらく)を手伝っています。
引用:ミドリノバショ
ビリヤードのことが好きすぎてサッカー部の先輩から告白された時も「男子と遊ぶよりビリヤードが楽しい」と言って振ってしまうくらい夢中になっています。
翠は4歳の頃からおじいちゃんにビリヤードを習っていてプロ顔負けの腕前を持っています。関西の魔王の異名を持つおじいちゃん曰く最強のハスラーに育て上げたとのこと・・・
最大の特徴は小柄な身体と力の弱さをカバーする打ち方にあります。
ビリヤードはキュー(球を打つ棒)のストロークが長いほど大きな力で打つ事ができます。
翠はそこに高さを加えて男顔負けのパワーショットを生み出しています。
引用:ミドリノバショ
もちろん、パワーだけではありません。一切ぶれない流れるような動作や綿密な位置取りなどの完成された基本動作から放たれる高精度なショット、土壇場で勝負に出るメンタルの強さも持ち合わせています。
試合が始まると年相応の無邪気な表情から一変して勝負師の顔に変わるのもカッコいいです・・・
そんな翠が強者との戦いで成長していくところも見どころです。
スカッとする展開と爽快な勝負シーン
翠が態度の悪い奴らをビリヤードでボコボコにする展開が気持ちいいです。見ていてスカッとします。
ビリヤード上級者の高校生が瞬殺された話もいいですが、見どころは元プロの菅との試合です。
菅は20年前に翠のおじいちゃんに負けた雪辱をはらしに球撞楽を訪れます。
しかし、おじいちゃんが菅の挑戦を断ったため翠が賭けビリヤードの相手をすることに・・・
菅はセーフティーと言う相手に困難な配置を残す戦術で翠のファウルを誘います。どこに打っても他の球に当たる状況でしたが、持ち前の度胸と培ってきた技術で翠は突破します。
引用:ミドリノバショ
神業の低空ジャンプショットが決まった瞬間もカッコよかったですが、その後に翠が菅に仕掛けた仕返しが最高にスカッとしました。
前半に菅が翠に仕掛けたセーフティーと全く同じ配置を翠が菅に返したのです。
引用:ミドリノバショ
翠の挑発に乗った菅は場外ファウルをしてしまい放心状態に・・・そんな菅に翠が放った「席へ戻ってもらえませんか?テーブルはもう私の場所ですよ。」に痺れてしまいました。
このセリフを見た瞬間「ざまぁ」つぶやいてしまいました。(我ながら性格が悪い)
この試合もスカッとするだけでなく翠の成長につながったこともいいですね。
強者との戦いで全力で戦うことの気持ちよさや上には上がいるという世界の広さを知れたことは大きいと感じました。
翠のこれからの活躍が楽しみです。
ビリヤード初心者でも分かりやすい解説
どの試合でも初心者と常連のお客さんが解説してくれるのでわかりやすいです。会話形式だからスッと入ってきます。
しかも、ピンチの時やチャンスの時もイラストを交えて解説してくれるのでビリヤードのルールが分からない人も置いてけぼりにならずに済みます。
引用:ミドリノバショ
さらに、ビリヤードの試合の構成やイラストの描き方が非常に丁寧なのもポイントが高いです。
引用:ミドリノバショ
つじつまが合った展開になっているし、ノーミス得点の時など冗長になるシーンはカットしているため読みやすい構成になっています。
また、巻末には指南書顔負けのビリヤード入門のコラムや日本プロの選手名鑑があったりと作者のビリヤード熱がひしひしと伝わってきます。
作者の熱と愛があふれる作品には外れがないのでぜひ読んでもらいたいです。
ミドリノバショのまとめ
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